印刷通販を注文するなら知っておきたい基礎知識
分かっているようで分からない印刷の基礎知識やもっと理解することで今後の印刷データの作り方が変わるかも?
そんな情報を紹介していきます。印刷物を作るときの知識としてお役立てください。
黒に注意!スミベタとリッチブラックと4色ベタの解説
印刷の黒はひとつだけではありません
印刷で表現される黒には、「スミベタ(K100%)」「リッチブラック」「4色ベタ」と呼ばれるものがあり、それぞれ印刷上注意すべき点があります。
単純に選んだ黒が表現したい「黒色」の表現として適しているのか、印刷トラブル防止も含めてデータ作成の参考にされてください。
スミベタ(K100%)とは?
CMYKカラーでデータ作成する際、「K(黒)」が100%の濃度で表現されている黒色(黒ベタ)のことを、「スミベタ」といいます。
見当ズレの影響がないので文字や細かい線などに向いています。
※透明効果を使用されたK100%のオブジェクトにはオーバープリント処理はされません。
※ベクトルデータ以外の画像(ビットマップ) データはK100%であってもオーバープリント処理はされません。意図的にオーバープリント処理を避けたい場合はK100%にわずかに別の色(シアン1%など) を加えてK100%の状態を回避してください。
※オーバープリント設定はトラブルの原因となります。また、オーバープリント設定の有無はデータチェックの対象になりません。使用される際は自己責任となりますのであしからずご了承ください。
スミベタ(K100%)で作成されたオブジェクトはすべて自動的にオーバープリント処理をされます。オーバープリント処理によって、下に重なって印刷された他の色が透けて見えてしまう場合があります。
スミベタは、K(黒)1色のみで印刷されるため広範囲にわたってベタ面として使用すると、「ピンホール(白抜け)」が発生しやすくなります。
黒のベタを作りたい時は、K100%だけでなくCMYを少しずつ入れるとピンホールができにくくなります。
リッチブラックとは?
CMYKカラーでデータを作成する際、4色を掛け合わせて作成する黒を「リッチブラック」といいます。一般的には、スミベタよりもリッチブラックの方が美しくしっとりとしたしまりのある黒に仕上がるといわれています。
弊社ではリッチブラックはK100%にCMYを40%プラスした数値を推奨しております。
※インキの総量が300%以上になると濃度オーバーとなってしまうのでご注意ください。
リッチブラックは、CMYKの4色掛け合わせるため、見当ズレ(紙の収縮におって起こる僅かなズレ)が起こりやすく、細かい文字や細い線には不向きです。また、リッチブラックの黒ベタ上に白抜きの文字や細い線をいれると同じく見当ズレになってしまう場合があります。
細かい文字などに、4色かけあわせで作成した色を使用した場合、見当ズレによって異なる色のように見えてしまうことがあります。
データの濃度は同じでも見当ズレの発生の具合によって色味が変わってしまうので、細く細かい線や文字をリッチブラックで表現する際には注意が必要です。
4色ベタ(C100%、M100%、Y100%、K100%)とは?
CMYKカラーでデータを作成する際、4色の濃度をすべて100%で作成した黒を「4色ベタ」といいます。この黒は一般的には濃度が高すぎるため、オブジェクトや文字には使用しない黒色です。
4色ベタの場合、許容量を超えた大量のインキが紙に印刷され、以下のようなトラブルの原因となります。入稿データに4色ベタが使われていた場合、弊社で自動的に濃度調整を行うことがございます。その際、他の色味も変化してしまいますのでご注意ください。
濃度が高いことで乾きが悪くなり、乾いていないインキが重なっている紙の裏に付着してしまいます。
4色ベタが広範囲にわたった場合、重ねられた紙同士がくっつき、用紙をはがすときに印刷面も一緒に傷ついてしまいます。
レジストレーションとは、Illustrator入稿の際に必要となるトリムマークのみ使用される色設定です。レジストレーションカラーは、CMYKすべて100%で作成されます。レジストレーションカラーをトリムマーク(トンボ)以外で使用された場合、4色ベタと同じように濃度が高く、トラブルの原因になります。トリムマークを選択した後にオブジェクトを作成した際、レジストレーションカラーで作成されてしまう場合があるのでご注意ください。
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