印刷通販を注文するなら知っておきたい基礎知識

分かっているようで分からない印刷の基礎知識やもっと理解することで今後の印刷データの作り方が変わるかも?

そんな情報を紹介していきます。印刷物を作るときの知識としてお役立てください。

vol.02
印刷用紙についての基礎知識02

印刷用紙の特徴を知って選ぶ紙を見極めよう!

      

印刷用紙の種類について

      

印刷用紙の多くは非塗工紙と塗工紙に分かれます。それぞれに長所と短所があるため、特徴を生かした用紙の選定が大切です。
では非塗工紙と塗工紙の違いと、それぞれの長所と短所についてご説明していきます。

■ 非塗工紙

非塗工紙とは、パルプから作った紙に特別な表面加工をしていない紙です。多少ざらついた自然な風合いで、鉛筆などで加筆する場合に適しています。また、光の反射が少ないので読みつかれしにくい素材で、主にオフィスや家庭で使わることが多いです。しかし、インキにかすかなムラができやすく、発色が沈みがちなので、写真の印刷などベタ塗りの多い印刷には向いていません。
そんな特徴を持つ非塗工紙は、大きく分けて「普通紙」「上質紙」があります。

「普通紙」…

日常生活よく見かける印刷用紙のことで、別名「コピー用紙」、「PPC(Plain paper copier)用紙」と呼ばれます。オフィスはもちろん、家庭用プリンターやレーザープリンターなど、プリンターの種類に関係なく使用できる印刷用紙です。また、他の印刷用紙よりも安価なので、大量印刷する際に向いています。しかし、画質自体はあまり良くないため、カラー印刷や画像印刷には向いておりません。

「上質紙」…

化学パルプ100%で作られた印刷紙のことで、白色度が非常に高くサラサラとした質感が特徴なので、ペンや鉛筆でも書きやすいです。また、印刷用紙のなかでも割と安価であるため、オフィスでは計画書や資料、そしてマニュアル、日常生活ではハガキや応募用紙、そしてレターセットなどと幅広いところで使われています。しかし上質紙は表面にコーティングがされていないので、写真紙として印刷してしまうとインクが滲んでしまう可能性があるため、どちらかといえば上質紙は文書に適しているといえるでしょう。ちなみに化学パルプの配合割合によって、白色度は変わります。先ほど化学パルプ100%のものは上質紙と説明しましたが、化学パルプ40~90%以上のものは中質紙と言い、主に教科書や雑誌に使用されています。白色度は65~75%前後と上質紙よりもやや劣るものの、透けにくいです。そして化学パルプ40%未満のものはざら紙と言い、主に漫画誌に使用されています。白色度は55%前後と低いことが特徴です。

以上が、非塗工紙の種類と特徴です。続いて塗工紙の種類と特徴をご説明していきます。

■ 塗工紙

塗工紙とは、製紙工程の最後に白い粉上の粘土を溶いたものなどを塗り、表面を平滑に加工した紙です。非塗工紙に比べ割高になってしまうものの、インキの乗りと発色が良いため、カラー印刷に向いている印刷用紙と言えます。しかし様々な加工がされている分、鉛筆やペンなどで加筆するには向いておりません。

そんな特徴を持つ塗工紙には、大きく分けて「光沢紙」、「コート紙」、「マットコート紙」があります。

「光沢紙」…

表面がコーティングされているため、光沢や高級感のある仕上がりが特徴の印刷用紙のことです。仕上がりの発色が良い光沢紙は主に、写真のカラー印刷やパンフレットに使用されます。しかし光沢紙の高さが裏腹に、光が反射する場所では見えにくい可能性があるため、使用場所は注意しなければなりません。

「コート紙」…

光沢紙と同じく表面にコーティングがされており、ツルツルとした感触が特徴の印刷用紙です。また写真のカラー印刷に適しているところも、光沢紙と同じです。光沢紙との大きな違いは、インクジェットプリンターでの印刷が出来るか否かということ。光沢紙は家庭用のプリンターでも使用できるのに対し、コート紙はプリンターの熱と、使用しているコート剤の作用によって用紙に気泡を生じさせてしまう可能性があるため、家庭用プリンターでは使用できません。

「マットコート紙」…

コート紙と名前が似ていますが、コート紙と比べて光沢が抑えられている印刷用紙です。感触もツルツルではなくしっとりすべすべとしているため、主にチラシやパンフレット、結婚式の招待状やカタログなど、上品な場面で使用されています。しかしインクが乾くのに時間を要するため、マットコート紙を用いる場合は納期に余裕を持っていた方が良いでしょう。

続いて、上記以外の印刷用紙についてご説明します。

■ 再生紙

その名の通り、新聞紙や雑誌などの古紙をほぐし、再利用されて作られた印刷用紙のことです。これまでは国や地方自治体での利用が主でしたが、近年SDGs活動の一環によって、企業では名刺、学校では書籍や文庫など、日常的に利用されるようになってきました。しかし再生紙を作りにあたり、分別やインクの除去など手間な作業があるため、普通紙よりも値段が割高になってしまう点がデメリット。さらに、もともと古紙であったものを再利用して作られているため、他の用紙よりも耐久性は低いです。したがって、再生紙は長期保存する書物や文庫本などには向いておりません。

■ 特殊紙

質感ガザラザラしているのや凹凸のあるもの、耐水性のたかいものなど、一言で特殊紙といっても様々な種類があります。特殊紙を使うことで、"自分だけのもの”を作ることができますが、特殊紙を印刷する際に使う機械には限りがあるため、他の印刷用紙と比べてかなりコストが上がってしまうため、大量印刷には向いていないでしょう。

JBFがお勧めする、用紙別の印刷例

印刷用紙を選ぶ際は、”印刷するものがなにか”、用途や目的に合わせて用紙を選びましょう。目的に合っていない印刷用紙を選んでしまうと、使いにくい販促物になったり、完成した印刷物のクオリティーが落ちてしまったりします。では、どの印刷用紙がどんなものに適しているか分からない人も多いことでしょう。そこでJBFがおすすめする、用紙別の印刷例をご紹介させていただきます。

■ パンフレットの印刷に適している印刷用紙

パンフレットを印刷する際は、ツルツルな質感が特徴の「コート紙」や「マットコート紙」がおススメです。パンフレットは、長期間保存されるものであるため、耐久性が高くなるように厚みがありしっかりとした用紙を使うといいでしょう。パンフレットが冊子の場合は予算や用途に合わせて表紙と本文で厚みや紙種を変えることもふまえて選択するといいかもしれません。

■ チラシ・フライヤーの印刷に適している印刷用紙

チラシ・フライヤーを印刷する際は、「コート紙」や「マットコート紙」や「上質紙」がおススメです。なかでもコート紙はツヤがあって上品な仕上がりになります。しかしコートは筆記性が低いため、ペンや鉛筆などで加筆する場合は、筆記性が高い「マットコート紙」や「上質紙」が良いでしょう。

■ ポスターの印刷に適している印刷用紙

ポスターを印刷する際は、使う場所によって用紙を選ぶ必要があります。屋内の店舗用であれば「コート紙」や「マットコート紙」も良いですが、屋外に貼るのであれば、耐水性に優れたフィルム法合成紙の「ユポ紙」がおすすめです。

■ 資料や文書の印刷に適している印刷用紙

オフィスで用いる資料や文書、学校で使われるテスト用紙などには「上質紙」がおススメです。上質紙はコピー用紙と同じで家庭用プリンターでも印刷が可能です。上質紙であれば、加筆が可能なのでアンケートや問題集などを作る際にも最適です。

■ 名刺の印刷に適している印刷用紙

名刺の印刷には、写真付きであればツヤのある「コート紙」やコート紙より光沢を抑えたい場合は「マットコート紙」がおススメですが、唯一無二の名刺を作りたい場合は「特殊紙」もおススメでしょう。大事な取引先や場面での名刺には「特殊紙」、他は「コート紙」や「マットコート紙」と使い分けるのも良いかもしれません。

紙の重さについて

紙を選ぶ際に「コート90kg」「コート110kg」などさまざまな重さが表示してありますが、何の違いがあるのだろうと思われる方もいると思います。

用紙の種類を選ぶ際に紙の種類のほかに重さを選ぶ必要があります。なぜ、重さを選ぶかというと、重さによって紙の厚みが変わってくるからです。

印刷用紙1連(1000枚)は「kg」で表します。1連あたりの大きさは同じなので1連あたり90kgの紙と110kgの紙では厚みが違うことになります。これにより連数は紙の厚みを表す単位として用いられていることが一般的です。

※紙の厚みや枚数などの詳細内容についてはメーカーよって異なります。

紙の厚さイメージ

見て触って選ぶ、紙サンプル

印刷通販JBFでは、お客様により仕上がりをイメージしていただくために紙のサンプルを無料でお送りしております。

紙の特徴や厚み、質感を踏まえた上でさらに、実際にお手元でお確かめいただくことができます。
ぜひ、資料請求にて紙のサンプルをご覧ください。

紙サンプルイメージ

[参考文献]

『改訂版 印刷発注の基本がわかる本』(2010) 藤本隆著/日本能率協会マネジメントセンター

印刷通販JBFサポートセンター
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